(参考文)
プロダクトアウト(product out、product oriented)とは、企業が商品開発や生産を行う上で、作り手の理論や計画を優先させる方法のことです。買い手(顧客)のニーズよりも、「作り手がいいと思うものを作る」「作ったものを売る」という考え方です。
一方、マーケットイン(market in、market oriented)とは、ニーズを優先し、顧客の声や視点を重視して商品の企画・開発を行い、提供していくことです。プロダクトアウトの対義語であり、「顧客が望むものを作る」「売れるものだけを作り、提供する」という考え方です。(参考文終わり)
業種により、マーケットインに重きを置くか、プロダクトアウトに重きを置くか分かれるように思います。
不動産業は間違いなくプロダクトアウトです。
例えば、新築住宅の販売やリノベーションの販売などはその最たるものでしょう。
良いものを作ったうえで、その価値を認めて頂ければ売れる仕組みです。
価値を売る業種ですね。
雑に言うと、自社の商品に自信がある!その上で買いますか?のスタイルかと。
では、他方飲食店はどうでしょうか。
個人でされてる地元の居酒屋さんの例は分かりやすいと思います。
常連のお客様にだけ出す料理や、カウンターを囲んでひとつのコミュニティがあるお店は、マーケットインですね。如何に常連のお客様を大切であるか認識しているお店の作り方かと思います。
聞いた話、飲食店の売上の8割は2割の常連客が作る。
このことを分かっている飲食店さんはいつも賑わっているものと推察しています。
マーケットインが構築できている業種と言うのは、「防御力」が高い。
プロダクトアウトの業種は「攻撃力」が高い様に自分なりに解釈をしています。
但し、商売に絶対的に必要なモノは「防御力」です。
その上で、不動産業における「防御力」とは何ぞや。と考えていました。
例えば1棟のマンションを保有していると仮定すると、その入居者様とコミュニケーションを密に取れているか。が挙げられます。
例えば、シェアハウスという事業。
入居者同士がコミュニケーションを取るために、休日にバーベキューなど催しています。
企画をするのが所有者側ですので、マーケットインが出来ていないと、シェアハウスに住む理由が入居者は無くなると思います。
これを通常の賃貸マンションにも落とし込むとマーケットインが出来ているマンション運営と言う形が見えるのではないかと考えます。
例えば、空きスペースにドッグランを用意する。とか、空き部屋のひとつを入居者用のサロンを作るなど。
少し考えると発想の転換があり、そこには付加価値が付く。
こういう、不動産なりのマーケットインを考案できればファンの多い住まいになるのでは。
個人的に中途半端と思うのは飲食店です。
先程、マーケットインしている飲食店は防御が強いと記載しましたが、飲食店によっては、誰が社長(大将)か不明な店も多くあります。
こういうお店を見ていると、飲食店をプロダクトアウトをしているな。と見ています。
往々にして多いのが立地だけ良いお店。
従業員に働かせ、現場を知らない事業主が多いです。
プロダクトアウトとは、「潜在化しているニーズ」を商品にすることなので、それも違うかもですが。
要は、人任せが多いのでしょう。場所の確保、内装をしたから従業員に勝手にやらせる感じでしょうか。
実はファンは付かず、新規客ばかりを取り込むため莫大な宣伝広告費を掛けてやることが正しいのか否か。
・・冒頭の図式に戻ります。
どんな業種でもマーケットイン・プロダクトアウトの両輪を回すことが大切だという事です。
事業がどちらにウエートを占めているか分かればその逆から事業を見直しをすると新たな発見があるかも知れません。
弊社は、これから不動産でのマーケットインを取り組んで参ります。またご報告いたしますね。